遠征、合宿の目的、こだわり
石川県加賀市で活動するサッカークラブリオペードラ加賀のジュニア(U-12)の 2016年1月に行なった大阪遠征の様子です。
『遠征や合宿では、どんなことをしているんでしょうか?』保護者の方からたまにあるご質問です。
強いチームやうまいチームと試合をすることだけが、目的ではありません。
遠征や合宿では、サッカーの技術や意識を上げるだけでなく、住み慣れた環境と親元を離れることでいろんな刺激が与えられます。
保護者がついてあれこれと世話をするチームもあるようですが、それではせっかくの効果も半減すると思っています。
■親元を離れる
リオペードラでは、保護者の方に合宿や遠征に同行していただくことはありませんので、子ども達はサッカーだけやってればいいわけではありません。
掃除、洗濯、食事の準備、後片付け、布団の上げ下げなど、親御さんがいない生活は、自分達でやらないといけないことが山ほどあります。
どんなにへとへとに疲れても、やらないわけにはいきません。
いつもとは勝手が違って、やってくれる人がいないわけですから、自分でやるしかないのです。
選手達は、普段、自分達が親御さんにどんなに手助けしてもらっているかを実感し、その生活が当たり前でないことに気付きます。
ありがたさに気付いて、感謝の気持ちを持つことができます。
■食事の時間
食事の時間は大変重要です。
食事もトレーニングの一つで、食事マナーの指導もします。
好き嫌いが激しい子、極端に小食な子。
普段どういうものを、どれくらいの量を食べているか知ることもできます。
変えたほうがいい習慣を、見直すチャンスでもあります。
■夜ミーティング
夜のミーティングでは、プレーの振り返りや、感じたことの話し合いに時間を多くかけることができます。
自分の意見を伝えたり、仲間の意見をまとめたり。
どうやったらチームが良くなるかと自分達で考えた後には、チームの雰囲気がガラリと変わることもあります。
■生活の確認
たまに、親御さんと離れたことが心細くて夜眠れない子が出てきます。
聞けば、いつもはお母さんと一緒に同じ布団で寝ているそう。
家でも一人で寝られる習慣をつけてあげてください。
そうやって、少しずつ一人で出来ることが増えることは、子どもの自信に繋がります。
■遠征後 合宿後
『超がんばったよ!超大変で疲れたよ!』
帰ってきた子ども達は自慢げに、嬉しそうに報告してくれると思います。
いろんな話を引き出してあげてください。
初めての経験を乗り越えたことで、一回り成長した自分を実感しているのです。
遠征の目的は、単なるサッカーの技術の向上だけではありません。
他チームと交流し、仲間達との共同生活の中で、自分自身で考える力を身に付け人間的な成長を遂げることです。